
足場点検記録の書き方|日常点検と悪天候・変更後の記録ルール【2026年版】
足場点検記録の書き方|日常点検と悪天候・変更後の記録ルール【2026年版】
足場の日常作業前点検と、悪天候・中震以上の地震・組立て・一部解体・変更後の点検は、対象項目と記録規定が異なります。労働安全衛生規則567条1項の日常点検、同条2項の特定契機後の点検、655条の注文者側の措置を分けて管理します。
毎日すべての項目を記録することが一律の法定義務だとまとめず、まず事業者と注文者のどちらの立場かを確認します。異常時は直ちに補修し、2項点検では結果・点検者氏名・措置内容を記録して、足場を使う作業を行う仕事が終了するまで保存します。
足場点検は契機・主体・確認項目で分ける

日常作業前と悪天候・変更後では点検範囲が異なる
労働安全衛生規則567条1項は、つり足場を除く足場で作業するとき、その日の作業開始前に点検者を指名し、作業箇所の足場用墜落防止設備の取り外し・脱落の有無を点検させる規定です。異常を認めたときは直ちに補修します。
同条2項は、強風、大雨、大雪等の悪天候、中震以上の地震、足場の組立て、一部解体、変更の後に作業するときの点検です。この場合は床材、緊結部、墜落防止設備、脚部、補強材など列挙された項目を点検します。工事安全衛生計画書の作り方にも、両者を別の契機として位置付けます。
事業者と足場を使わせる注文者の責任を分ける
567条の主体は足場で作業を行わせる事業者です。一方、655条は、労働安全衛生法31条1項の場合に、請負人の作業従事者へ足場を使わせる注文者が講じる措置を定めます。注文者には最大積載荷重の設定・表示、特定契機後の点検と修理、足場基準への適合などが求められます。
| 区分 | 主体 | 主な契機 | 主な点検範囲 | 記録・保存 |
|---|---|---|---|---|
| 567条1項 | 事業者 | その日の作業開始前 | 作業箇所の墜落防止設備の取り外し・脱落 | 3項の記録規定の対象ではない |
| 567条2項 | 事業者 | 悪天候・中震以上の地震・組立て・一部解体・変更後 | 法令が列挙する9項目 | 結果・氏名・措置を仕事終了まで保存 |
| 655条 | 足場を使わせる注文者 | 最大積載荷重管理、特定契機後など | 注文者としての措置 | 点検結果・氏名・措置を仕事終了まで保存 |
この判定表は、契約上の立場と点検契機を結び付けるための整理です。元請という名称だけで主体を決めず、誰が労働者へ作業させ、誰が請負人へ足場を使わせる注文者に当たるかを確認します。施工体制台帳の会社関係も参照すると役割を整理しやすくなります。

日常作業前は墜落防止設備の状態を確認する
作業開始前に取り外し・脱落の有無を点検する
日常作業前は、実際に作業する箇所の足場用墜落防止設備について、取り外しや脱落の有無を確認します。前日の終了時に問題がなくても、資材搬入、他業者の作業、夜間の風などで状態が変わる可能性があります。作業箇所を特定し、点検者が作業開始前に現物を見て判断します。
自社の点検表に床材や脚部など多くの項目があっても、その全項目が567条1項により毎日要求されると説明しません。法令上の範囲を満たしたうえで、自社が追加する確認は社内基準として区別します。安全書類の種類一覧と同様に、法令要件と現場運用を分けてください。
異常を認めたときは直ちに補修し、使用判断へつなげる
取り外しや脱落などの異常を認めたら、直ちに補修します。実務では、異常箇所の表示、関係者への連絡、補修、補修後の再確認、作業開始判断までを切れ目なく進めます。法令本文を超えて立入区画や作業停止の判断基準を設ける場合は、自社の安全ルールとして責任者と解除条件を明確にします。
口頭だけで補修を依頼すると、誰が再確認するか曖昧になりがちです。異常発見時刻、場所、状態、連絡先、補修担当、再確認者、作業再開時刻を一連で追えるようにします。道路上へ足場がかかる場合の手続きは道路使用許可の確認と分け、点検記録で許可を代用しません。

悪天候・地震・組立て変更後は列挙項目を点検して記録する
法令の列挙項目を点検し、点検者を指名する
567条2項の点検項目は9つです。床材の損傷・取付け・掛渡し、建地・布・腕木等の緊結部等の緩み、緊結材・緊結金具の損傷・腐食、足場用墜落防止設備の取り外し・脱落、幅木等の取付状態・取り外し、脚部の沈下・滑動、筋かい・控え・壁つなぎ等の取付状態・取り外し、建地・布・腕木の損傷、突りょうとつり索の取付部・つり装置の歯止めです。
事業者は点検者を指名します。誰を指名するかは、足場の構造と使用状況を理解し、異常を判断できる知識・経験を踏まえて決めます。悪天候や中震以上の地震に該当するかは現行法令と現場の状況で確認し、都合のよい一律数値を独自に法定基準として扱いません。

結果・点検者氏名・補修内容を仕事終了まで保存する
567条3項の記録対象は、直前の2項に基づく点検です。点検結果と点検者の氏名、結果に基づいて補修等を行った場合はその措置内容を記録し、足場を使用する作業を行う仕事が終了するまで保存します。日常作業前点検へ3項の記録規定をそのまま広げて説明しません。
記録様式には、点検日・時刻、点検契機、対象足場と場所、9項目の結果、点検者氏名、異常内容、補修等の措置、再確認日・確認者を設けると追跡しやすくなります。契約でより長い保管期間が定められる場合は別に満たし、法令上の保存終期と契約上の保管ルールを区別します。
点検表・写真・是正状況を現場単位で追跡する
点検表だけでなく異常箇所と補修後を写真で残す
法定の記録事項は結果、点検者氏名、補修等の措置内容ですが、写真は場所と状態を説明しやすくする任意の補助記録になります。足場全景だけでなく、対象面、通り、階、部材が分かるように撮影し、撮影日、点検記録番号、是正前・是正後を対応させます。
写真だけでは点検者や判断理由を示せないため、点検表へ結び付けます。是正前と後で撮影方向が大きく違うと比較しにくいため、対象箇所が分かる引きの写真と、異常部材が見える寄りの写真を組み合わせます。画像に個人や近隣情報が映る場合は共有範囲にも配慮してください。

工務店HUBでは点検契機と是正完了を工程に結び付ける
工務店HUBでは、点検表と是正前後の写真を現場記録として案件へ保存し、カスタム項目で点検契機、点検者、是正状態、再確認日を管理できます。点検の実施と適否判断は現場の担当者が行い、その結果を工程と一緒に追いやすくする運用です。
足場の組立て、一部解体、変更予定を工程カンバンで把握し、必要な点検の予定へ結び付けます。持込機械届の管理とは対象を分けつつ、同じ現場日付で参照できるようにすると、作業前の確認資料が散在しにくくなります。
足場点検についてよくある質問
足場は毎日すべての項目を点検して記録しますか
一律ではありません。日常作業前の567条1項と、悪天候・中震以上の地震・組立て・一部解体・変更後の2項では、対象項目と記録規定が異なります。自社で毎日追加確認する項目がある場合は、法定範囲と社内基準を分けて管理してください。
足場の点検者に資格は必要ですか
法令は事業者が点検者を指名することを求めています。指名する人は、足場の構造や作業を理解し、異常を判断できる知識・経験を踏まえて選びます。発注者や元請が別の要件を定めている場合もあるため、現場ルールと自社の指名記録を確認してください。
点検記録はいつまで保存しますか
567条2項の点検結果、点検者氏名、補修等の措置内容は、その足場を使用する作業を行う仕事が終了するまで保存します。注文者側の655条の記録も同じ終期です。契約や社内規程で別の保管期間がある場合は、それぞれの根拠を分けて満たします。
まとめ|日常点検と記録が必要な点検を分ける
足場点検は、567条1項の日常作業前、2項の悪天候・地震・組立て等の後、655条の注文者側の措置を分けます。2項点検では9項目を確認し、結果、点検者氏名、補修等の内容を記録して仕事終了まで保存します。写真と是正状況も点検表へ結び付け、現行状態を追跡しましょう。
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