未成工事支出金とは|工務店の仕訳と工事別原価管理【2026年版】
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未成工事支出金とは|工務店の仕訳と工事別原価管理【2026年版】

2026年9月4日17分で読める

未成工事支出金とは|工務店の仕訳と工事別原価管理【2026年版】

未成工事支出金は、完成していない工事にかかった材料費・労務費・外注費・経費を工事別に集めるための勘定科目です。工事中の原価を案件ごとに蓄積し、完成を確認した時点で自社の会計方針に沿って完成工事原価へ振り替えるのが基本的な流れです。

決算をまたぐ工事では、請求書の到着時期と施工時期がずれやすく、会社全体の合計だけでは工事別の根拠を説明できません。この記事では仕訳の考え方、4つの原価区分、月末確認、工事台帳と会計の照合を整理します。個別の計上時期や税務判断は税理士などの専門家へ確認してください。

最初に工事番号を決め、発注・納品・作業・請求の各記録へ同じ番号を付けることが実務の土台です。勘定科目の選択だけを先行させず、金額がどの工事の、どの作業期間に対応するかを説明できる状態にします。

未成工事支出金は未完成工事の原価を集める科目

未成工事支出金から完成工事原価への関係図
未成工事支出金から完成工事原価への関係図

完成前の工事原価を工事ごとに集計する

未成工事支出金は、未完成工事に対応する原価を一時的に集める資産科目です。売上である完成工事高、完成した工事の費用である完成工事原価、顧客から受け取った前受金に当たる未成工事受入金とは役割が異なります。名称が似ていても、入金、売上、工事中原価、完成後原価を分けます。

工事番号工事状態当期に集めるもの完成確認後の基本的な行先
A案件施工中対象工事の材料費・労務費・外注費・経費未成工事支出金のまま管理
B案件完成確認済み完成までに対応する工事原価完成工事原価へ振替
C案件着工前発生内容と工事との関係を確認在庫・前払等を含め個別判断

この早見表は、現場の進捗表示だけで会計処理を確定するものではありません。工事番号を共通キーにし、契約、工事状態、検査、引渡し、請求資料を確認します。工事台帳の作り方で日々の原価を集め、会計側の補助情報と対応させます。

決算をまたぐ工事ほど案件別の根拠が必要になる

工事が決算日をまたぐと、材料は搬入済みでも請求書が未着、外注作業は完了しても請求金額が未確定、といったずれが生じます。会社合計だけでは、どの工事にいくら対応するのかを説明できません。注文書、納品・搬入記録、作業報告、出面、請求書を工事番号へ結び付けます。

現場で「ほぼ完成」と見えることと、会計上の完成判定は同じとは限りません。契約条件、検査、引渡しの状況、自社の会計方針を確認し、担当者だけで便宜的な日付を置かないことが重要です。収益認識や原価計上の個別判断は、根拠資料をそろえて税理士などへ相談します。

決算をまたぐ工事の原価と請求時期のずれ
決算をまたぐ工事の原価と請求時期のずれ

仕訳は発生・支払・完成の流れで確認する

工事原価の発生・支払・完成を追う仕訳フロー
工事原価の発生・支払・完成を追う仕訳フロー

工事中は原価を未成工事支出金へ集める基本形を押さえる

工事中に対象原価が発生したときは、借方を未成工事支出金、貸方を買掛金・未払金などとする基本形で捉えます。支払時は買掛金・未払金を減らし、預金などを減らします。大切なのは勘定科目だけでなく、工事番号、原価区分、取引先、証拠資料を同時に記録することです。

材料を買った事実だけで全額を特定工事の未成工事支出金へ入れるとは限りません。在庫として保有する材料、複数工事で使う共通購入、会社全体の経費が混在する場合は、実際の用途と自社の会計方針に沿って扱いを判断します。消費税区分や補助科目も含め、個社の処理は税理士へ確認してください。

完成時は対象工事の原価を完成工事原価へ振り替える

完成時は、工事状態の確定、未着請求の確認、対象原価の集計、未成工事支出金から完成工事原価への振替、工事台帳との照合の順で進めます。基本形では借方を完成工事原価、貸方を未成工事支出金とし、対象工事に蓄積した金額を移します。

振替前に、別工事の材料や外注費が混ざっていないか、未着分の確認が終わっているか、重複計上がないかを確認します。完成基準や進行基準などの適用可否をこの記事だけで決めず、契約と会計方針を前提に専門家へ相談します。振替日と判断者、確認した資料を残すと後日の説明がしやすくなります。

材料費・労務費・外注費・経費を工事番号で集める

発注・請求・出面を4区分へ対応させる

工事原価は、材料費、労務費、外注費、経費の4区分で日常的に集めます。材料費は発注書・納品書・請求書、労務費は出面や作業記録、外注費は注文書・注文請書・請求書・作業実績、経費は用途が分かる証憑を主な確認元とします。建設業の原価管理と区分をそろえると再集計を減らせます。

一枚の請求書に複数工事が含まれる場合は、行別明細、数量、作業実績などに基づき配賦し、根拠を残します。金額を均等に分けただけでは実態と合わないことがあるため、誰がどの資料で配賦したかも記録します。工事番号が未確定の取引を放置せず、確認先と期限を持たせます。

4原価区分の証拠書類と月末確認をまとめた図
4原価区分の証拠書類と月末確認をまとめた図

月末に工事状態と未着請求を確認する

月末は、工事番号ごとに着工前、施工中、現場作業完了、検査中、引渡し済みなどの状態を確認します。ただし、その表示を会計上の完成判断へ自動的に置き換えません。現場担当は進捗と未完作業、購買担当は発注・納品・未着請求、経理担当は計上と支払の状態を確認します。

原価区分主な証拠書類必須のひも付け月末の主な確認者
材料費発注書、納品書、請求書工事番号、品目、数量現場・購買・経理
労務費出面、作業報告工事番号、日付、作業現場・経理
外注費注文書、注文請書、請求書、実績工事番号、会社、工種現場・購買・経理
経費領収書、請求書、利用記録工事番号、用途、配賦根拠担当部門・経理

この対応表は、4区分の金額を決める税務判断ではなく、確認資料と担当を整理するためのものです。月末には未着、工事番号漏れ、別工事への誤配賦、重複、完成済み工事への追加請求を一覧にし、処理と判断を分けて進めます。

工事別原価を日常管理し、決算時の再集計を減らす

工事台帳と会計の合計を月次で照合する

工事台帳の工事別合計と、会計の未成工事支出金の合計を月次で照合します。差があるときは、請求書未着、会計への未計上、工事番号漏れ、複数工事の配賦、二重登録、完成振替の時期という順に原因を探します。合計差だけでなく、工事別の増減も前月と比較します。

決算時だけ表計算へ請求書を集め直すと、現場担当者の記憶に頼り、完了した案件や退職した担当の根拠を追いにくくなります。実行予算の作り方と同じ工事番号で予算・発注・実績を持ち、月次で差額の原因と対応日を残します。

工事台帳と会計の合計を月次で照合する図
工事台帳と会計の合計を月次で照合する図

工務店HUBでは工事状態・予算・発注実績を案件にまとめる

工務店HUBでは、案件別収支で原価予算、発注実績、粗利判定を確認し、注文書、請求書、作業報告など仕訳判断の根拠資料を案件へまとめられます。会計仕訳や税務判断を行うものではなく、工事別に情報をそろえて会計担当へ渡しやすくする使い方です。

工程カンバンの状態、見積改訂版、現場記録を同じ案件で参照すると、完成判定の確認資料を探しやすくなります。カスタム項目へ会計確認日、未着の有無、工事番号を持たせ、現場・購買・経理が同じ確認単位を使えるようにします。

未成工事支出金についてよくある質問

未成工事支出金は利益ですか

利益ではありません。未完成工事にかかった原価を、工事が完成するまで工事別に集めるための資産科目です。完成確認後は、自社の会計方針に従って対象額を完成工事原価へ振り替えます。完成工事高や未成工事受入金とは役割を分けてください。

材料を買った時点ですべて未成工事支出金にしますか

一律ではありません。対象工事に使うことが確認できる材料費は工事別に集計しますが、在庫、共通購入、他工事分が混在する場合は扱いが変わります。発注、納品、使用場所を確認し、自社の会計方針と税理士の助言に沿って処理します。

工事が完成した日は何を基準に決めますか

現場で作業が終わった日だけで決めず、契約条件、検査、引渡し、収益認識の方針を確認します。工程上の完了と会計上の完成を区別し、判断に使った契約書、検査記録、引渡し資料を残してください。個別工事の税務・会計判断は税理士などへ確認します。

まとめ|工事中から原価と根拠資料を結び付ける

未成工事支出金は、未完成工事の4区分の原価を工事別に集める科目です。発生、支払、完成の流れを工事番号で追い、月末に工事状態、未着請求、配賦、重複を確認します。完成判断や計上時期は自社の会計方針と専門家の確認を前提にし、工事台帳と会計を月次で照合しましょう。

案件別の原価予算と発注実績を料金から確認する

原価予算、発注実績、粗利判定を案件ごとに確認する運用は、料金ページから検討できます。工務店HUBの料金を確認するから、自社の工事別原価管理に合う使い方をお確かめください。

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