建設業の決算変更届(事業年度終了届)の書き方:必要書類・様式・4ヶ月ルール【2026年版】
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建設業の決算変更届(事業年度終了届)の書き方:必要書類・様式・4ヶ月ルール【2026年版】

2026年7月30日22分で読める

建設業の決算変更届(事業年度終了届)は、毎事業年度が終わってから4ヶ月以内に、その年度の工事実績と決算内容を許可行政庁へ届け出る法定の手続きです(出典: 建設業法第11条第2項)。建設業許可を取ると5年ごとの更新にばかり気を取られがちですが、この決算変更届は毎年必ず提出する義務があり、出し忘れるとその更新そのものができなくなります。本記事では、必要書類と様式番号、法人と個人の違い、提出しない場合のリスク、決算月からの逆算スケジュール、そして工事経歴書をスムーズに作る準備までを、建設業法の条文を示しながら整理します。

決算変更届とは、決算報告や事業年度終了届とも呼ばれる、建設業許可業者が毎年提出する報告書のことです。許可を受けた建設業者は、毎事業年度経過後4月以内に、工事経歴書や直前3年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面などを提出しなければならないと定められています(出典: 建設業法第11条第2項)。届け出た財務諸表や工事経歴書は行政庁で閲覧の対象となり、発注者が建設業者を選ぶ際の判断材料にもなります。まずは全体像を早見表で押さえましょう。

項目内容
根拠法令建設業法第11条第2項
提出期限事業年度終了後4ヶ月以内
提出先許可行政庁(知事許可=都道府県/大臣許可=地方整備局等)
対象建設業許可を持つ全事業者(法人・個人を問わない)
主な書類工事経歴書・直前3年の工事施工金額・財務諸表・納税証明書
出さないと5年ごとの許可更新ができない・罰則の対象になりうる

決算変更届の4ヶ月ルール・必要書類・提出先を示した全体像
決算変更届の4ヶ月ルール・必要書類・提出先を示した全体像

決算変更届とは:毎事業年度終了後4ヶ月以内の法定手続き

決算変更届は、建設業許可を受けたすべての事業者が毎年必ず提出する届出で、提出期限は事業年度が終わってから4ヶ月以内です(出典: 建設業法第11条第2項)。3月決算の法人なら7月末日まで、12月決算が多い個人事業主なら翌年4月末日までが期限になります。ここで混同しやすいのが、5年ごとに行う建設業許可の更新との違いです。更新は許可の有効期間を延ばすための手続き、決算変更届は毎年の実績を報告する手続きで、目的も頻度も異なります。5年ごとの更新の流れは建設業許可の更新で整理していますが、決算変更届を毎年出し続けていることが、その更新をスムーズに進める前提になります。届出は義務であり任意の報告ではない、という点をまず押さえておきましょう。

毎年の決算変更届と5年ごとの許可更新の違いを示した図
毎年の決算変更届と5年ごとの許可更新の違いを示した図

必要書類の一覧:法人・個人の違いと様式番号

決算変更届で必ず必要になる中心の書類は、工事経歴書(様式第2号)、直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)、そして財務諸表です(出典: 建設業法施行規則)。財務諸表の様式は法人と個人で分かれており、法人は貸借対照表や損益計算書・完成工事原価報告書などを、個人はより簡素な様式を使います。あわせて納税証明書が必要で、知事許可なら事業税、大臣許可なら法人税(個人は所得税)の証明を添えます。法人・個人の主な違いは次の通りです。

書類法人個人
工事経歴書様式第2号様式第2号
直前3年の工事施工金額様式第3号様式第3号
貸借対照表様式第15号様式第18号
損益計算書・完成工事原価報告書様式第16号様式第19号
株主資本等変動計算書・注記表様式第17号・第17号の2不要
事業報告書株式会社のみ不要
納税証明書事業税(知事)/法人税(大臣)事業税(知事)/所得税(大臣)

様式は法改正や都道府県ごとに細部が異なるため、必ず管轄行政庁の最新の手引きで様式番号を確認してください(出典: 建設業法施行規則/各都道府県「決算変更届の手引き」)。

法人と個人で分かれる決算変更届の必要書類と様式番号の一覧
法人と個人で分かれる決算変更届の必要書類と様式番号の一覧

提出しないとどうなるか:更新できない・罰則の対象

決算変更届を出さないことの最大の実害は、5年ごとの建設業許可の更新ができなくなることです。更新申請では、原則として過去5年分の決算変更届がすべて提出済みであることが前提となるため、出し忘れがあると、その年度分をさかのぼって作成しなければ更新に進めません。加えて、届出をしない、または虚偽の記載をした場合は、建設業法上の罰則の対象になりえます。具体的には6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(出典: 建設業法第50条)。実務では、罰則が科される前に、更新や業種追加、経営事項審査が受けられないという形で支障が先に表れることがほとんどです。「毎年の小さな手続き」と軽視せず、期限内提出を習慣にすることが、許可を守るうえで欠かせません。

決算変更届の未提出が許可更新の停止と罰則につながる流れ
決算変更届の未提出が許可更新の停止と罰則につながる流れ

自分で作る手順と決算月からの逆算スケジュール

決算変更届は、行政書士に依頼せず自分で作成して提出することも可能です(出典: 建設業法第11条第2項)。基本の流れは、(1)決算を確定させる、(2)その年度の完成工事を洗い出して工事経歴書を作る、(3)会計データを建設業会計の様式(財務諸表)へ組み替える、(4)納税証明書を取得する、(5)一式をまとめて許可行政庁へ提出する、という順序です。ただし(3)の財務諸表の組み替え(売上高を完成工事高へ振り替える、税抜・税込をそろえる等)は建設業会計の知識を要するため、税理士や行政書士に相談するケースも多い工程です。工務店HUBは届出そのものを代行するものではありませんが、(2)の工事経歴書のもとになる案件データを日常的に整えておく役割で支えます。決算月からの逆算では、次のような目安で準備を進めます。

時期の目安やること
決算日まで完成・未成工事の請負金額や工期を案件ごとに残しておく
決算日〜1ヶ月決算を確定させ、完成工事高を財務諸表と突き合わせる
1〜2ヶ月目工事経歴書・直前3年の工事施工金額を作成する
2〜3ヶ月目財務諸表を建設業会計の様式へ組み替える
3〜4ヶ月目納税証明書を取得し、一式を提出する(期限は4ヶ月以内)

決算月から4ヶ月以内の提出までを逆算したスケジュール表
決算月から4ヶ月以内の提出までを逆算したスケジュール表

つまずきポイントと工事経歴書の準備

提出前のつまずきは、工事経歴書と財務諸表の数字が合わない場面に集中します。帳票取込・移行支援でご相談を受ける範囲でも、初めての決算変更届で手が止まりやすいポイントには、次のような傾向があります(出所: 工務店HUBの帳票取込・移行支援の実務知見/YDAIコンサルティング株式会社・匿名集計)。

つまずきやすい順内容
1税抜・税込が工事経歴書と財務諸表でそろっていない
2完成工事を請負代金の大きい順に並べ替えられていない
3工事経歴書の完成工事高の合計が財務諸表と一致しない
4損益計算書から完成工事原価報告書への振替が漏れる
5改定様式・都道府県ごとの様式を取り違える

工事経歴書は、経営事項審査を受けない決算変更届のみの場合、その年度の完成工事を元請・下請の区別なく請負代金の額の大きい順に記載していくのが基本です(出典: 国土交通省「工事経歴書作成の手引き」)。ここで効いてくるのが、日々の案件データがそろっているかどうかです。規模別の年間の完成工事の件数感には、次の傾向があります(出所: 帳票取込・移行支援の実務知見/YDAIコンサルティング株式会社・匿名集計)。

規模の目安年間の完成工事の件数感工事経歴書の準備
一人親方・数名数件〜十数件が多い主要工事を大きい順に並べれば負担は軽め
5〜10名規模数十件になりやすいどこまで載せるかの絞り込みと並べ替えに時間
10名超・多能工型小口改修が積み上がり百件規模も元データを日々残していないと期末の集計が難航

件数が増えるほど、期末に工事を思い出しながら並べ替える作業は現実的でなくなります。工事名・注文者・工期・請負金額を案件ごとに残す工事台帳や、日々の案件管理を仕組みにしておくと、工事経歴書の作成は「集める」作業から「並べ替えるだけ」に近づきます。Excelでの手作業集計に限界を感じている場合はExcel卒業の進め方もあわせて参考になります。

まとめ

決算変更届(事業年度終了届)は、建設業許可業者が毎事業年度終了後4ヶ月以内に提出する法定の手続きで、工事経歴書・直前3年の工事施工金額・財務諸表・納税証明書が中心の書類です(出典: 建設業法第11条第2項)。提出を怠ると罰則の対象になるだけでなく、5年ごとの許可更新ができなくなるため、毎年の期限内提出を習慣にすることが重要です。財務諸表の組み替えは専門家の力を借りつつ、工事経歴書のもとになる案件データは日頃から整えておくと、期末の負担が大きく変わります。まずは自社の決算月から4ヶ月の期限を逆算し、いつ何を準備するかを決めておきましょう。

よくある質問

Q1. 決算変更届はいつまでに提出すればよいですか?

毎事業年度が終わってから4ヶ月以内に提出します(出典: 建設業法第11条第2項)。3月決算の法人なら7月末日まで、12月決算の個人事業主なら翌年4月末日までが期限です。この期限は、建設業許可を持つすべての事業者に共通します。

Q2. 決算変更届を提出しないとどうなりますか?

届出をしない、または虚偽の記載をした場合、6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になりえます(出典: 建設業法第50条)。実務上はそれ以前に、過去分の決算変更届がそろっていないと5年ごとの許可更新ができないという支障が先に生じます。

Q3. 5年ごとの許可更新とは別の手続きですか?

別の手続きです。決算変更届は毎事業年度ごとに実績を報告するもので、許可更新は5年ごとに許可の有効期間を延長するものです(出典: 建設業法第11条第2項)。毎年の決算変更届を出し続けていることが、更新申請を受け付けてもらう前提になります。

Q4. 決算変更届は自分で作成できますか?

自分で作成して提出することは可能です。ただし財務諸表を建設業会計の様式へ組み替える工程(売上高を完成工事高へ振り替える、税抜・税込をそろえる等)は専門知識を要するため、税理士や行政書士に相談する事業者も多くあります。工事経歴書のもとになる案件データは、日頃から自社で整えておくと作成がスムーズです。

Q5. 法人と個人で必要書類は違いますか?

中心となる工事経歴書(様式第2号)と直前3年の工事施工金額(様式第3号)は共通ですが、財務諸表の様式が異なります。法人は貸借対照表(様式第15号)等、個人は貸借対照表(様式第18号)と損益計算書(様式第19号)を使い、株主資本等変動計算書や事業報告書は法人(株式会社)のみです(出典: 建設業法施行規則)。

Q6. 工事経歴書はどの工事をどこまで載せますか?

経営事項審査を受けない決算変更届のみの場合は、その年度の完成工事を元請・下請の区別なく、請負代金の額の大きい順に記載していくのが基本です(出典: 国土交通省「工事経歴書作成の手引き」)。件数が多いほど、日々の案件データがそろっているかどうかで作成の手間が大きく変わります。


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